コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」
第17回: 「一緒にフィールドを整備しよう!」

[2005年10月13日掲載]
執筆: 千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社
情報通信事業グループ アシスタント オペレーティング オフィサー
兼 OKI IP電話普及推進センター(IPTPC) センター長
今月、日立製作所様がIPTPC VoIP認定技術者資格制度に参加されました。本当に喜ばしいことです。
2002年4月にOKI IPTPCを立ち上げてから3年半が経ちました。この間に「IP電話」という言葉は専門家だけに通じる言葉から、一般の新聞の一面でも使用される言葉へと変化してきました。当初は「通信費用は安いが、音質が悪い特殊な電話」というのが、皆様の認識だったのではないでしょうか?しかし、NEC様やアジレント様、ベリングポイント様、関電工様など、OKI IPTPCの活動にご協力いただいたパートナーの皆様のお陰で、「IP電話」が新しいコミュニケーションツールとして認知が高まってきたと感謝しています。
OKI IPTPCの立ち上げ時は、活動の目的や真意が必ずしも正しく伝わっていなかったと思います。機器開発をしているベンダ自身が「市場啓蒙」や「普及促進」を提唱しても、どうも「広告宣伝活動」と見られていたような気がします。しかし、OKI IPTPCを運営しているメンバの間には、ベンダの社員であるとともに「IP電話への正しい認識をユーザーや販売店の間に広めたい」という思いがありました。
2001年には、国連組織であるITU-T(国際電気通信連盟-電気通信標準化部会)との間で「次世代の通信方式はVoIP」という認識で合意し、技術開発に取り組んでいました。そこで、IP電話の“方式上の特徴”や“できること・できないこと”、“従来の通信方式との違い”などを、書籍や雑誌への寄稿により市場へ展開してきました。さらに、販売・工事をする方への研修プログラムをオープンにすることを決意しました。それが「IPTPC VoIP認定技術者資格制度」です。
実はこの制度を開始するにあたり社内では、市場競合するベンダへの技術ノウハウの展開にもなる、との意見もありました。しかし私たちは新しい市場を切り開くには、市場というフィールドを整備しなければ、機器だけ開発してもお客様に価値を伝えられないと考えました。

私事ですが、私は学生時代にテニス部に所属していました。テニスでは試合開始前に、プレイヤー同士が一緒になってコートにブラシをかけます。その際に、自陣だけをきれいに掃くということはできません。テニスにはコートチェンジというルールがあり、コートの全てがプレイをするフィールドです。敵陣の砂を掃かなければ、次のゲームではそのコートが自陣となりプレイできません。欧米でも新しい技術を市場へ展開する際には、エコシステムと言って複数企業が標準化や市場啓蒙活動を行うのが一般的です。
私たちはOKI IPTPCの活動を通じて、世界トップレベルのIP電話のフィールドを日本に作り、その成果を世界へ展開したいと考えています。今後もより多くの企業の参加を促すとともに、IP電話の導入を検討されている企業の皆様にも、たくさんの情報をご提供していきたいと考えています。
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