コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」
第7回: 「広がるIP電話、アジアの輪」

[2004年12月2日掲載]
執筆: 千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社 IPソリューションカンパニー
ヴァイスプレジデント 兼 IP電話普及推進センター(IPTPC)センター長
11月19日に韓国のソウルで「IPテレフォニーカンファレンス2004」が開催され、基調講演をして参りました。この基調講演には、韓国情報通信産業部や通信事業者をはじめ、300名近くのお客様にご出席いただきました。日本への関心が非常に強く、講演後にたくさんの質問を頂戴しました。
というのも韓国では、日本と同様のIP電話番号として「070」が割り当てられたばかりです。現在は、4~5社の通信事業者が番号申請を行い、日本と同様に音質などの確認を行っています。韓国のインターネット普及率は世界一であり、ADSLなどのブロードバンドを取り入れている家庭は、すでに全世帯の70%を越えています。このため、IP電話への反応も日本とは異なっています。
日本では、IP電話はブロードバンドユーザー拡大の牽引役として利用されていますが、すでにブロードバンドが普及している韓国の場合には、IP電話が広がることにより、固定電話を解約する加入者が増えることを通信事業者は懸念しています。そのため、単なる電話のIP化ではなく、TV電話機能を付与するなど、工夫を凝らしたサービスが広がると思われます。
また、台湾でも韓国と同様の「070」番号の試験が行われています。中国においては、地域によって差はあるものの、IP電話の試験が盛んになってきました。電話番号を用いてインターネット上の通信サービスが利用可能となるENUM(イーナム)に関しても、アジア太平洋地域にて技術協力するためのグループAPEET(Asia Pacific ENUM Engineering Team)が2004年7月に発足しました。
私は、このようなアジア発の動きは、とても素晴らしいことだと思います。

韓国の伝統芸能
日本から広がったIP電話が、アジアを巻き込み、世界中に広がり、ビジネスの機会が大きく成長していくことを願っています。韓国だけでなく、多くの国が日本のIP電話の行く末を注目しています。IP電話が通信の未来を担う鍵になるためには、グローバルな相互接続性の確保や品質維持の仕組みが重要です。IP電話が、日本のお客様に広く利用され大きく育っていけるように、今後も皆様からのご意見を頂戴し、製品開発に取り入れてきたいと思います。
- ※このページに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。